将棋の戦形はものすごい大雑把に分けると二つ。居飛車と振り飛車です。なんでも現存する最古の棋譜は居飛車対四間飛車だそうで、この頃からすでに二つの流れの戦いは始まってた様です。
この前ネット上の知り合いの振り飛車党の人が「相手の飛車にわざわざ王が近づいていく戦法(居飛車)なんて棋理に反してる」と言っていました。なるほど、そういう考え方もあるのかと思ったんですがプロの誰かが「振り飛車は損な戦法」って言ってた事も。なんだかんだででどちらかが完全に廃れたことはまだ将棋の歴史の中でないわけで、いったいどっちが優秀な戦法なのか。
世の中には居飛車党、あるいは振り飛車党と呼ばれる人たちがいて、それぞれに自分の得意とする戦法に自信を持っているのですが、私みたいに得意戦法を持たず、毎回戦法をコロコロ変える人間にとっては飛車先を突いて居飛車にするか、それとも横に転換して振り飛車にするかはけっこうな悩みだったりします。お互いの特徴を私のイメージでおおざっぱに羅列すると
居飛車
・飛車の前に王がいるのでタテの攻めになる
・振り飛車に比べるとお互い玉が薄い
・攻め合いになりやすい
・小駒の将棋になる
振り飛車
・ヨコからの攻めになる
・玉が固い(振り飛車から見て)
・攻めvs受けの構図になりやすい
・大駒の将棋になる
こんなとこですか。小駒の将棋、大駒の将棋というのはなんとなくですが、居飛車は歩や桂や銀が活躍するのに対して振り飛車は飛車角が働くイメージがあります。同じ将棋なのに戦法によって戦い方がガラッと変わるのが将棋のおもしろいところですね。正直言ってどっちが好きかは本人の好みで決めればいいというレベルだと思います。ただ、応援するチームがあると野球を見るおもしろさが倍増するように、自分の得意戦法を持った方が将棋って楽しめるのかなあ、と感じるようになってきました。(2007/06/06)
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